開発日誌

前回の製品リリースから少し間が開いてしまいましたが、ようやく次製品のリリースのめどが立ちました。

鬼門だったフロンフォークの穴あけ加工を不要にしたのと、入手性の良いシマノ製ダイレクトマウントブレーキが使えることが最大のポイントです。

乗り比べてみたのですが、リリース済みのＶブレーキ仕様に比べダイレクト感に劣るものの、ロックする心配が少なく、細かなスピードコントロールがしやすく、カジュアルな印象にまとまっています。シマノの味付けの妙に大変感心しました。

構造的にはフォークのステ管と左右のブレードの３点を２本のボルトで挟んで固定しており、既存のあらゆるピスト用アダプタより、きっちり固定できているんじゃないでしょうか？

テストした感じだと23cは入りますが、25cはかなりギリギリで厳しいかもです。もともとトラック競技専用のフレームに太いタイヤがどこまで入るのかわかりませんが、太いタイヤにチャレンジするにはやはりフォーククラウンに穴をあけてＶブレーキをつけるしかないようです。

量産品はすでに上がってきており、次週末には出荷できると思います。

製品詳細ページ　→　ピスト用ブレーキマウントII型

なお、本製品リリースによりピスト用のブレーキアダプターが一通りそろいましたが、製品名称が少し長ったらしく感じていたので、このタイミングで以下整理させていただきたいと思います。

これまでピスト用Vブレーキアダプターは前後兼用として販売しておりましたが、正直、固定ギアのリアにＶブレーキは少しやりすぎでした。２輪の場合、制動の大半はフロントブレーキで決まり、リアをガツンと効かせたところでスキッドが多少やりやすくなるぐらいの効果しかありません。一方で、シマノのダイレクトマウントRブレーキは必要にして十分な制動力があり、長い下りなどで足の回転に合わせながらブレーキをかけるのもやりやすく、構造的な信頼性含めあらゆる面で理にかなっていると判断し、今後はフロント専用２タイプ、リア専用１タイプとして販売させていただきたいと思います。

フロントブレーキに関して言うと、シマノはコントロール性が高い反面、Ｖやディスクブレーキなど強力なブレーキシステムを使っているオフロードライダーなどからするとブレーキレバーを奥までしっかり握らないと完全には止まれないため、やや怠く感じる部分もあります。ただし、制動としてはI/IIいずれも十分で完全に好みの世界の話なので、お好みでチョイスしていただければと思います。

ピストのブレーキ周りは、ノーブレーキピストと言ったカルチャーの問題だけでなく、実際に選ぼうにも選択肢が少なく、あっても品質的に不安定な商品が多く、問題だらけでしたが、今回のリリースにより概ね解消できたのではないかと自負しております。ピストブームもすっかり下火になり、ヤフオク等でジャンクのトラックフレームが安価でやり取りされています。ジャンクとわかった上でリサイクルして遊べる向きにはなかなか面白い状況にあるかと思いますので、ぜひ、安全に楽しんでいただければと思います。